静寂の観音沼 スノーシュー ハイキング

観音沼森林公園は下郷町にあり、春は山桜や山野草、秋には紅葉が美しい、写真愛好家に人気のスポットです。湯野上温泉から車で約40分、公園入り口の除雪された駐車場に車を停めて、スノーシューをはいて歩き出しました。真冬の「観音沼」はモノトーンの静寂な世界が広がっていました。


観音沼は約1万7千年前の甲子旭岳の噴火によってできた溶岩が、長い間に侵食されできたと考えられています。背後には会津100名山にも選ばれている観音山(1640m)がそびえていますが、この日ははっきりとは見えませんでした。


少し歩くと「宿り木」が手の届く位置に生えていました。鳥が食べやすいように高いところに生えていることが多いので、近くで見られることはなかなかありません。まじまじと見たり、触ったりしました。

薄い黄色と白とオレンジの2色です。宿り木は寄生植物ですが肉厚の葉で自分でも光合成をします。実は鳥が食べた後、フンが木にくっつくようにネバネバしています。

沼から少し上がったところに「嶽観音堂」があります。東征の際に戦いに参加した人馬を弔うために坂上田村麻呂が建立したと伝えられています。御蔵入三十三観音の第13番札所です。お堂は雪をかぶって彫刻の美しさがより際立ってみえました。

観音沼はしっかりと凍っていたので、スノーシューで沼上を歩きました。森の中にはうさぎ、テン、リスと思われる足跡がありました。冬はお天気や積雪状況しだいでいろいろなコースがとれますが、暖をとれる建物はありませんので、防寒には十分お気をつけください。なお、駐車場前にあるトイレは冬季閉鎖中でした。

観音沼近くには「道の駅 しもごう」がありますが、甲子道路から南に入る最短の道路は冬期通行止めで、養鱒公園を経由して観音沼へ入る必要があります。






橋本 香織

吾妻山、安達太良山を見て育った、福島在住の登山ガイドです。福島の山、森などの自然や、福島の人、農産物、手仕事のすばらしさを国内外の人に知っていただきたいと、福島の山から里を案内しています。
日本山岳ガイド協会認定ガイド。

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